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湯灌とはどういうもの?

湯灌とはどういうもの?

多くの人にとって、葬儀は非日常的なものです。そのため、家族が亡くなって初めて知ることになる単語や言葉も多くあることでしょう。

今回はそのなかから「湯灌」について取り上げます。

湯灌とは、納棺前に行われる清めの儀式のこと

「湯灌」は「ゆかん」と読みます。

これは納棺前に行われる清めの儀式のことで、故人の体を洗い清めることをいいます。これは、「故人の生前のけがれを清めるために行うもの」「故人の苦しみをぬぐうために行うもの」「死後硬直をやわらげ、納棺しやすくするために行うもの」などの目的があるとされています。宗教的な見方で言うのであれば、「赤ちゃんに産湯を使うように、亡くなった人を清めるための儀式」ということになるでしょう。

なお神道の場合は「沐浴」とも呼ばれます。

 

湯灌は主に以下の手順をとります。

1.浴槽を用意する

湯灌では、専用の浴槽を使うのが一般的です。

2.ご遺体をもみほぐす

ご遺体をもみほぐし、柔らかくします。

3.移動させる

ご遺体を浴槽に移動させます。なおこのときは体があらわにならないようにするために、タオルなどを用いるのが一般的です。

4.口上が述べられる

湯灌を行うスタッフ(特に「湯灌師」と呼ばれることもあります)によって、湯灌の説明が行われます。

5.お清めの儀式を行う

36度~40度程度のお湯を用いて、お清めが行われます。基本的にはスタッフが行いますが、会社の方針やご家族のご意向で、ご家族が手伝うこともあります。なおご家族が手伝う場合は、「お湯をかける」などのような簡単な作業を担当することになります。複雑な作業をご家族が担うことはありません。

6.髪の毛や顔のお手入れをする

髪の毛を洗い清め、顔のお手入れを行います。故人が男性である場合は、ひげそりも行われます。

7.シャワーを利用して全身を洗い流す

シャワーを使って前進を洗い流します。またこの後にアロマなどを使うこともあります。

8.お着替えと死に化粧

体を拭き上げ、お着替えを行います。「亡くなった人の着替え」というと白い死に装束を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、現在では亡くなった人の好きだった服を着せたり、ご家族が着せたいと思う服(ドレスなどのこともあります)を着せたりすることもできます。ご家族で「このような服を着せたい」という希望があれば、事前に用意しておくようにします。

髪の毛のセットを行い、死に化粧を行います。現在は、「若々しく、生き生きとして見える死に化粧」を施す傾向にあります。

 

なお湯灌の際には「逆さ水」というやり方が取られます。逆さ水とは、水を張った浴槽の中にお湯を入れていくことで温度を調整します。これは一般的な温度調整(お湯を沸かしてから、温度調整のために水を張る)とは逆のやり方であり、葬送儀礼における「逆さ事(わざといつもとは違うことを行い、死後と生の世界を区別するという考え方。屏風を天地逆に置くこともこの逆さ事に分類される)のうちの一種です。

湯灌は必ず行わなければならないもの? 湯灌をだれにお願いすればいい?

ここまで湯灌の意味と手順について解説してきましたが、湯灌は必ず行わなければならないものなのでしょうか?

実は、湯灌は「旅立つのに必須の儀式」ではありません。

明確な統計をとったわけではないため個人の推測の域を出ませんが、むしろ湯灌を行うケースは非常に少ないのではないでしょうか。

葬儀会社に数年勤めている人であっても、「湯灌をしたことはない」「湯灌を希望されたことはない」という人も多くみられます。湯灌を行うためには別途50000円~10万円くらいの費用がかかりますし、原則としてオプション扱いであることもこのような傾向に拍車をかけているのかもしれません。

また、葬儀会社であっても湯灌は基本的に取り扱っていないというところもみられます。「湯灌にも対応できる葬儀会社」もあれば、「湯灌には原則として対応していない葬儀会社」もあるということです。

なお湯灌にも対応している葬儀会社の場合、上記で述べたお湯を使った湯灌以外にも「古式湯灌」と呼ばれる方法を提案しているところもあります。

これはごく簡単なもので、逆さ水と末期の水の儀式を行い、爪やひげを整えて死に化粧を行い、死に装束を着せる……というものです。葬儀会社によって違いますが、こちらの方は費用が比較的安く、30000円~60000円程度でやってもらうことができます。

もっとも、葬儀会社の多くは「ご家族から寄せられたご希望はできる限り叶える」という姿勢をとっています。そのため、湯灌を希望するのであれば、とりあえず葬儀会社に持ちかけてください。葬儀会社の方で、湯灌に対応できる専門業者などを調べてくれる可能性もゼロではありません。

湯灌・清拭・エンゼルケア・エンバーミングの違い

湯灌と似た意味を持つ言葉として、

・清拭

・エンゼルケア

・エンバーミング

があります。

この3つの言葉と湯灌の違いを簡単に解説します。

・清拭

体を拭き清めることをいいます。単純に「清拭」とされた場合は、基本的にはお湯による入浴を含まないのが一般的です。

この「清拭」と下記の「エンゼルケア」、またその後の死に化粧まで行ってくれる病院もありますが、湯灌までは行わないのが基本です(清拭やエンゼルケアを行うかどうかも、病院によって異なります)。

・エンゼルケア

医療器具を抜いたり、排せつ物を出したり、口の中のケアを行ったりすることを「エンゼルケア」といいます。またこの場合、上記で述べた「清拭」までも行われるのが一般的です。加えて着替えなども行ってもらえることもありますが、基本的には入浴は含みません。

・エンバーミング

ご遺体が腐敗することを防ぐために、殺菌消毒を防ぐ処理を行うことを「エンバーミング」といいます。またこの言葉は、「ご遺体の修復措置」を含む場合もあります。

こちらは技術的なことに重きを置くもので、「外国の方が日本で亡くなったが、海外からご家族が日本に入ってくるまでに時間がかかる」などのような状況のときに行われます。また、ドライアイスを利用しないご遺体の保管方法としても知られていますが、専門的な知識と技術と施設が必要であるため選択肢が非常に狭く、またとても高額(最低でも15万円程度。場合によっては30万円以上)です。

 

人を送り出す儀式のひとつである「湯灌」。

行うかどうかはご家族のご意向によりますが、選択肢のひとつとして覚えておきましょう。

東海典礼の事前相談をご活用ください

私たち東海典礼では、葬儀の事前相談を承っています。

湯灌について、葬儀のお見積り、どのような雰囲気の葬儀にしたいかなど、葬儀の専門のスタッフがご希望に合わせた葬儀のカタチをご案内させていただきます。ご希望の式場のご見学も可能です。

費用や雰囲気など、皆様の想いをカタチにできるよう納得して葬儀社を選んでいただきたいと考えております。

まずは、お気軽に0120-84-6861までお問い合わせください。