喪主挨拶 どのタイミングでどんなことを話せばいい?苦手な場合の対処法
通夜や告別式においては、「喪主の挨拶」を行う場面が多々見られます。
ここではこの「喪主の挨拶」を取り上げ、
・そもそも喪主の挨拶を行うのはなぜなのか
・いつ、どのようなタイミングで喪主の挨拶をするのか
・苦手な場合はどうするのか
について解説していきます。
目次
喪主の挨拶は、主に弔問客へのお礼のためにある
喪主の挨拶は、主に弔問客へのお礼を目的として行われます。
詳しくは後述しますが、「故人や、自分たち家族のためにわざわざ足を運んでくれたことへのお礼」「故人が生前に受けた御恩へのお礼」を述べることを目的とします。
またそれ以外にも、「今後も残された家族に対して、変わらぬ付き合いをしてほしい」などの願いを込めて行われます。
このような特性を持つ喪主の挨拶は、基本的には「身内への簡単な挨拶」や、「葬儀会社のスタッフへの(常識的な)お礼」、そして「ご僧侶への挨拶」とは意味が異なります。あくまで弔問客に向けたものである(あるいはそれを主体とするものである)ことを押さえておきましょう。
喪主の挨拶を行うべきタイミング
ここからは、喪主の挨拶を行うべきタイミングとそのときに話すべき内容について解説していきます。
1.通夜の最後
通夜の最後に、喪主の挨拶を行います。おそらくこれが、この後何回か行われる喪主の挨拶のうち最初の1回目となるでしょう。
通夜の最後、ご僧侶による読経~焼香~弔電披露が終わった後の締めに行われるもので、通夜振る舞いに移る直前に行われます。
このときには、
① 弔問をしてもらったことへのお礼
② 故人とのエピソード
③ 故人が生前に受けた御恩へのお礼
④ 今後の力添えをお願いする文
⑤ 通夜振る舞いの案内
の5要素で構成されることが多いといえます。ただ、挨拶が苦手な人や簡潔に済ませたい場合は②は省略されることがあります。また通夜の後の工程に関しては、葬儀会社のスタッフ(あるいは葬儀会社から依頼されたアナウンサー)によって案内されることも多いため、⑤も省かれることが多いといえます。
2.通夜振る舞いでの挨拶
通夜振る舞いでの挨拶は、主に2段階に分けられます。
まずは通夜振る舞いの前に、通夜振る舞いを行うことを挨拶する場面と、通夜振る舞いが終わった後に喪主の挨拶を行う場面です。
通夜振る舞いを行うことを挨拶する際には
① 集まってくれたことへのお礼
② 故人のことを偲んで話をしてもらえるとうれしい
③ 粗宴だが楽しんでほしい
の3点を簡潔にお話しします。
次に通夜振る舞いを終えるときは、
① 名残惜しい
② それでも長く引き留めるのは申し訳ないので、このあたりでお開きとしたい
③ 明日の告別式の案内
の3要素を述べます。
通夜振る舞いでの挨拶はいずれも簡潔に行います。この場合、故人に対するエピソードなどは原則としてさしはさみません。
3.告別式での挨拶
通夜の翌日には、多くの場合告別式が行われます。この告別式の最後もしくは出棺時にも、喪主の挨拶が行われます。
このときに話すべき内容は通夜のときとほぼ同じで、
① 弔問をしてもらったことへのお礼
② 故人とのエピソード
③ 故人が生前に受けた御恩へのお礼
④ 今後の力添えをお願いする文
となります。ただし告別式の場合は、その後に続く通夜振る舞いなどはありませんから、最後の「案内」は行いません。このまま出棺~火葬場に行くことになります。
また、火葬場で火葬を行う際に簡単に挨拶を行うケースもありますが、このあたりはケースバイケースといえるでしょう。
4.精進落としでの挨拶
精進落としは本来、四十九日目に行うものですが、現在は、火葬の後に繰り上げ初七日法要→精進落とし、の席に進むことが一般的です。このときも、通夜振る舞いと同じく、精進落としが開始される前と精進落としが終わるときにする挨拶の2段階によって構成されます。
精進落としを始める際の挨拶としては、
① 皆様のおかげで無事に告別式を終えることができた
② ①に対する感謝
③ 粗宴だが、心ばかりのものを用意した
④ くつろいでほしい
の4点を話します。
精進落としを終える際には、
① 故人のために参列してくれたことの例
② まだゆっくりしたいが、時間になったのでお開きとする
③ いろいろと至らない点もあったことに対するお詫び
④ 今後もよろしくお願いしたい
⑤ 最後にお礼
で締めます。
精進落としが終われば、そのまま解散となります。このため、精進落としの最後に述べることになる「お礼」は、葬儀全体の締めともなることを意識しましょう。
またこの際、すでに法要(四十九日法要など)の日付が決まっていれば合わせて案内をしますが、まだ決まっていない場合は省略します。
喪主の挨拶が苦手な人のために伝えたいこと
喪主の挨拶に限らず、「挨拶」はどうしても得手不得手があるものです。人前でしゃべることに慣れている人とそうではない人の場合大きな違いが生まれますし、「どうしても話したくない」「失敗してはいけない」と考える人もいるでしょう。
しかし、挨拶が苦手な場合でも決して臆する必要はありません。
喪主の挨拶は、「上手く行わなければならないもの」ではありません。大切なのは感謝を伝えたいという気持ちです。また、大切な人を亡くしたときにはだれもが動揺するものです。そのため、たとえ喪主の挨拶の最中につっかえたり泣き出したりしても、それを責める人はいません。
また、喪主の挨拶は短くても構いません。故人のエピソードを入れるのもよいのですが、難しい場合は、定型的な文章でも問題ありません。また現在は、紙に書いたものを読み上げるかたちでも失礼とはされていません。
喪主の挨拶においてもほかの挨拶においても、忌み言葉や重ね言葉は避けるのが原則です。ただ、話をしているうちにこのような言葉が多少出たとしても、それが大きな問題になることはありません。
なお、「どうしても喪主の挨拶を行いたくない」「喪主の挨拶を行わなければと考えるだけで葬儀に集中できなくなる」ということであれば、ほかの人に挨拶をお願いすることもできないわけではありません。実際に、喪主である長兄に代わり、比較的挨拶に慣れている次兄が挨拶を務めたケースもあります。
大切なのは「気持ちを伝えることである」と考え、あまり杓子定規にとらえないようにしましょう。
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